お母さん大好きが崩れていったのは、本当に去年の事だ。
心療内科の先生や、カウンセリングの先生に
「自分の人生を取り戻すように」
と言われ、色々試した。
境界性パーソナリティ障害の書籍を読むこと、
「怒る」を意識すること、
両親は本当に問題のない人間なのか観察すること、
今までのエピソードを書き出して問いただしてみること、
カウンセラーの先生ともしたし、自分1人でもした。毎日の少しづつの意識改革だ。
私は、実家にいるとパニック発作がひどく、
お金もないが、1人暮らしを始めた。
お金は「初期費用だけ出して欲しい。」とお願いした。
「お前には無理、またどうせ帰ってくる、仕事も続かないのにやっていけるわけない」
また父の呪文が始まったが、これで距離が置けるなら…と思い我慢した。
そんな引越しに向けて、準備をしていたある夜の事だ。夜に「過保護のカホコ」というドラマがテレビについていて、母がそれを見ながら笑っていた。
高畑充希さん演じる、カホコは私のようで、
黒木瞳演じる、母親はまるで母だった。
あそこまで愛されてもいないし、過保護でもないが、家族というものが閉鎖的な感じはとても似ていた。自分自身の事を決めたり、価値観を定める事が出来ない所も私そっくりだった。
最初は「なんか、似てるね〜」と母親とみていたが、今も思うとあのような、表現をよく母親と笑いながら見ていたと思う。
少し見ていたら、段々と気分が悪くなって、動悸がしてした。パニック発作までいかないが、吐きそうだった。
みておられず、自室にこもる。
その時はなぜ、このタイミングで気分が悪くなったかわからなかったが、そのドラマを見ていると何度もなり、最後までみられないので、気づいた。
それで、そういうことってあります?
私はスプラッタや過激な描写はまったく大丈夫なのに、地上波のゴールデンタイムにするドラマをみて気持ち悪くなるなんて…とカウンセラーに話した。
「そういうこと、あるよ。アメちゃんと重ねて自分を客観視するような感じで、まだ自分が可哀想だったということや、お母さんが酷い事をしたっていう現実を拒否したり、怒りに満ち溢れてたら、悲しくて辛い、それが体調に出ているのね…。段々とアメちゃんは真実に気づいてるのよ。」
私は引越しの作業は、母に実家から引越し業者を送り出すところまではしてもらったが、それ以降は自分でした。何も手伝ってもらわなかった。
「スペアキーは渡してくれないの?」と母は悲しそうに言うが、
「お母さん、またスペアキーで勝手に入るでしょ?緊急の時に使うものであって、勝手に侵入するためのものじゃないから、それがわからない人には渡さないよ。」と言った。
今までは、続かない1人暮らしを何度かしていた。あれを1人暮らしと呼んでいいのか…。
またそのことは後に書くことにする。