わたしはいい子。

アダルトチルドレンの30代独身女の雑記

アダルトチルドレンだらけ。ミステリー×心理学「ファーストラヴ」が好き。

第160回 芥川龍之介賞・直木三十五賞の発表がありましたね。

そこまで文学詳しくないですが…

 

私は去年の直木賞受賞作の「ファーストラヴ」が、とても好きです。

手元には残っていないですが、共感できる所が沢山あるんです。「メンヘラ」って言葉も、この本を読んで、余計に嫌いになりました。

生き辛さを背負った人たちがここぞとばかりに集まった、ミステリー×心理学のお話です。

ネタばれしない程度に感想やあらすじを書きますね。

 

解き明かす謎は?

女子大生が包丁で父を刺し殺してしまったという鮮烈な事件から、物語は始まる。

女子大生は警察の取り調べに対して「動機はそちらでみつけてください。」と言う。

彼女自身、何故殺したのか分からないという。彼女は何故、父親を殺してしまったのか。

臨床心理士の女性と殺人者の女子大生

 臨床心理士の家族を持った女性が、この事件に関するノンフィクションの執筆を依頼され、そして彼女の義弟が被告人の女子大生の弁護人となる。

この2人が被告人である女子大生と、彼女をとりまく関係者と対話して、ひとつづつ、真実を探し出す。

後半は法廷劇であるが、読んでいるこちらまで手に汗握る。

複雑な家庭環境を持つ登場人物たち

 亭主関白である父と上品な母、そして殺人容疑の女子高生の3人で構成された家族。

その家族の秘密を明らかにしていく、ストーリーだが、主人公である女性も、義弟も複雑な過去を持つ。

繊細な心のやりとりや、主人公の女性も、義弟も過去のエピソードに振り回せされながらも、生活をしている、いわゆるアダルトチルドレンである。

 

話の中で義弟は女関係を絶やせないけれど、深く関わる事のできないタイプのACである。そんな彼を女子大生は「男メンヘラ」といった。とても、共感できる言葉だった。

結局は何かの精神疾患であるのに、あやふやな言葉で差別した侮辱した様に彼女は使っていたのが印象的だった。

 

そして女子大生は自分の感情が自分の事なのに、本当に「分からない」のだ。自傷癖がある。でも何故自傷をすると気持ちが落ち着くのかも分からない。

その彼女が霧の中にいる所に主人公の臨床心理士がサポートして、自分の本当に感じていた感情に気づくところまで導こうとする。

まさに、私とカウンセリングの先生の関係であり、終始共感できた。

 

心理学的視点での監修は精神科医でミュージシャンの星野概念さん

星野概念さんはクチロロのバックバンドのミュージシャンとして活動していた事もある方で、いとうせいこうさんのかかりつけの心療内科医(精神科)でもある。

いとうせいこうさんが「もっと心療内科やカウンセリングを身近なものに」という想いをこめて作られた、彼らの対談本「ラブという薬」も、暗くもなく、隠すこともなく、病気の様に扱っていて、なんか眠れないし、行ってみようかな?という気持ちになれる本だ。いとうせいこうさんは一見ふざけたイメージ(失礼…)なのに、内面は繊細な方なんだと思うと、よかった結構仲間いるんだ。と思えた。

まあ…。日本では劇的にカウンセリングやセラピーの発展途上国なので、胡散臭いスピリチュアルなものや、理解が深くない人が生業にしているので、難しい。

まずは、そこのすみ分けや保険適用しても国のプラスになる様な処置という事をもっと理解しないといけないという、国全体の課題があると思うが。。。

 

閉鎖的な「家族」という場所について

家庭崩壊した機能不全家庭にスポットライトを当てて、ベストセラーとなって様々な人に機能不全家庭や、虐待の様々な種類というもの、そしてそれらがもたらす災いを認知してもらえるきっかけになったのは嬉しい事だった。

家族というのは決して、愛が溢れて、幸せで、それでいてかけがいのないものだという事が常識的になっている。

今でこそ小さな子供を死なせる、という人間の倫理観に衝撃を与えるような、事件が五月雨に起こるが、

心理的な虐待というのはとても周囲も気づきにくく、自分自身も「家族は良いもので、親はなんだかんだ言っても味方」だという概念が捨てきれないので気づきにくいし、無意識に気づきたくないのだろう。

「私には関係ない」事はほとんどない。DVという名の家庭内暴力という虐待は、とても身近にあるのではないだろうか?

そして、加害者も被害者もきっと機能不全家庭で育った人なんだろうと思う。

日本の体裁を気にするあまりに子供の心をないがしろにしてしまう文化は一体、いつなくなるのだろうか。

機能不全家庭がどれだけ日本の経済的損失に加担しているのだろう。そういう取り組みなどないのかな、と時々しらべている。

 

島本さんと、星野概念さんの対談はこちらです